ずんずんのずんずん行こう!改!

日々のこころのあれこれじゃよ

終身雇用制度無き時代のアリとキリギリス その5

【前回までのあらすじ】
アリは旧友からのマルチの勧誘には引っかからなかったが、高額英会話スクールの営業にはひっかかった。そして、ずんずんは「この作品って僕だけがいない街みたいですね」と言われ気分を良くした。

第一話→老後に2000万円必要な時代のアリとキリギリス
第二話→終身雇用制度無き時代のアリとキリギリス
第三話→終身雇用制度無き時代のアリとキリギリス その2
第四話→終身雇用制度無き時代のアリとキリギリス その3
第五話→終身雇用制度無き時代のアリとキリギリス その4

 

年収1千万円

アリ「はぁ~」

 

アリは深いため息をついて、英会話学校イーヤンの水戸本校にたどり着きました。ちなみにこの英会話学校は架空のものであり、実在する実在の人物や団体などとは関係ありませんし、ずんずんさんが通った英会話学校ともなんら関係ありません。

 

アリ『土日にクラスがあるとかめんどくさいな~。でもお金払っちゃったし…』

 

と、アリはこぎれいなビルの教室へと入りました。そこにはすでに2、3匹の昆虫たちが席についていました。アリは軽く会釈をしましたが、クラスメイトのその中には…

 

アリ「あ!?」

アリ美「!?」

 

そこには会社のアリ美先輩がいたのです。

アリ美先輩は、アリと同じタイムリープ仲間で、もう詳しくはこの回を読んでって感じでした。→第四話 終身雇用制度無き時代のアリとキリギリス その3

 

アリ「アリ美先輩!どうしてここに?」

アリ美「え?前回のタイムリープアメリカ西海岸でサーファーやってたころの英語力を落としたくないとおもって英会話学校でも行こうかなって…漫画の役に立つかもしれないし…」

アリ「わぁ…情報量多いなぁ…」

 

読者がついていけない…そう言いながらアリはアリ美のそばの席に座りました。

 

アリ美「アリくんこそどうしたの?英語に興味あったの?」

アリ「え…いや…その…やっぱりこれからのグローバル社会についていくために英語は必須かなって思いまして…」

 

まさか、橋本環奈似のアリに勧誘されて、うかうかサインしたとは言えず、アリは赤面しながら答えました。

その時、環奈アリ(仮)のLINEをゲットしようとしたけど、できなかったよね…人生ってこんなものだよね…うふふ(涙)などとアリは思いました。

 

アリ美「 フーン…それで英語を習って、アリ君は何がしたいの?」

アリ「えっ」

 

痛いところを突くなと思いました。

 

アリ「あ、とりあえず…年収を上げたいと申しましょうか…が、外資系って年収高いって聞きますし…」

 

しどろもどろにアリは答えました。

 

アリ美「年収上げたいって、どのぐらい?

アリ「え…や、やっぱり年収1000万円ぐらいですかね?」

 

アリの答えを聞いてアリ美は深いため息をつきました。

 

アリ美「知ってる?年収1000万円って正規雇用で4.3%しかいないのよ?」

アリ「え!?」

 

そうです。このシリーズはもともとは高校生にもわかるお金とキャリアの話だったはずです。

アリ美はそう言いながら、リクナビ記事スマホで探してアリに見せました。

 

next.rikunabi.com


この記事によると正規雇用で働く年収1000万円以上の会社員は全体の4.3%です。男性は5.8%、女性は1.0%の方がこの年収帯に分布しているとのことでした。

 

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リクルート様がいうことだ。間違ってはおるまい。

 

アリ「年収1000万円以上が4.3%って…少ないんですね。年収1000万円の人ってイキっていいじゃないんですか?

アリ美「イキるわよね…」

アリ「というと、約95%ぐらいの会社員が年収1000万円以下ってことですか。とすると、世帯あたりの平均所得っていくらぐらいなんでしょうね?」

 

と、アリは気になって調べてみました。

厚生労働省が出している平成28年 国民生活基礎調査によると、(参考→https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa16/index.html

 

平均所得は545万4千円とのことでした。

 

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一つの家族の所得が大体545万円ということです。

 

アリ「平均所得545万円かぁ…」

 

ここでアリは、自分の実家のことを思い出しました。

アリの家は地方で、貧しいとも言いませんが、普通のサラリーマンの家庭です。

母親はアリが小さいころは専業主婦で、アリが小学生になると近所のスーパーでパートで働いていました。

 

うちの、世帯所得はいくらぐらいだったんだろう?

平均以上だったのかな?わからないな。

500万円はあったのかな? 

そんな中、家を買ってローンを払って、車を買ってローンを払って、妻子を養い、子供に教育を与えて…。

 

 

アリ「親って偉いですね…」

 

アリ美「な、なによ。急に」

アリ「今の自分から考えると途方もない話です…」

 

親の偉大さを感じたところで、アリは今度の休みは久しぶりに、実家に帰ろうかなぁなんて思うのでした。

 

実家

お盆休み、アリは久しぶりに実家に帰省しました。

アリの実家は、県庁所在地から電車で30分ぐらいの、ちょっと歩けば田畑が広がっているようなところでした。

ものすごく田舎かと言われればそうでもなく、かといって都会かと言われればそうでもなく、すべてが中途半端で、今の自分みたいだとアリは思いました。

 

こんなところで育ったから自分は中途半端なのかもしれない。

 

そんなこともアリは思いました。

 

久しぶりに帰省して、母は心なしかうれしそうに見えました。父親は昔と変わらず高校野球を朝からずっと見ています。

 

母親は女王アリのはずでは?と言われると苦しいのですが、ここは違う世界線だから、その…いいんや…。

 

昔からなにも変わらない日常の中、アリは自分の部屋においてあった小学校の頃の卒業文集を見つけました。

そこには『将来の夢は野球選手になることです』と書かれていて、アリは思わず笑ってしまいました。

 

小学校の頃は野球をやっていました。でも野球選手になりたかったわけではありません。そもそも、野球選手になるなんて無理だと思っていました。

 

久しぶりに小学校にでも行ってみようかな。

 

とアリは散歩がてら小学校に向かうことにしました。

 

☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ 

 外は蒸し暑く、うるさいぐらいセミが鳴いていました。

 

アリは歩きながら、昔のことをぼんやりと思い出していました。

 

それで中学に行って、運よく高校は県内で一番の高校に行けました。

 

同級生の一人はマルチにはまっていましたが…。

 

何かがきっかけで、医者になりたいと思ったこともありました。

でもすぐに無理だろうとあきらめました。

 

大学も受かったところに行きました。

もしかして、浪人すればもっといい大学に行けたかもしれません。

親に迷惑をかけると思っていきませんでしたが、どこかで

 

「そんないい大学に行けるとはかぎらないし」

 

と考え、あきらめたことを覚えています。

 

もしかして…。

 

そこでアリは気が付きました。

 

アリ『俺は自分で自分の限界を決めている…?』

 

アリは愕然としました。

いつも無理だ無理だと言って、自分で自分の限界を決めてしまっているのではないでしょうか?

その結果が、今だとしたら?

 

アリはぞっとしました。

 

???「ようアリ!」

アリ「?」

 

その時、アリは、誰かに呼び止められました。

後ろを振り向くと小学校の頃の同窓生のテントウムシがいました。

テントウムシ大きなシャベルを抱えていました。

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テントウムシ今日がタイムカプセルを掘り出す日ってお前も覚えていたんだな!」

テントウムシはうれしそうに笑いました。

 

アリ「え?あ、ああ?」

 

確か小学六年生のころ、クラスでタイムカプセルを学校の裏庭に埋めて、10年後に掘り出そうとかなんだとか、あったような…。

 

テントウムシ「お前はシャベル持ってこなかったのかよ~」

アリ「う、うん…」

 

アリは驚きながら答えました。

 

タイムカプセルを掘り起こす日が今日だって?!!?

 

なんて偶然なんだ!(;゚Д゚)

 

アリは運命めいたものを感じながらテントウムシと一緒に小学校に向かうことにしました。

 

タイムカプセル

 二人が小学校につくと、そこにはすでに複数(匹)の同級生たちが集まっていました。

プチ同窓会みたいでアリはなんだか楽しくなりました。

 

みんなが持ってきたシャベルで、学校の裏庭を掘り始めました。

 

ここだ

あそこだ

 

と言いながら掘り続けると、カツンと音がして、アリたちはタイムカプセルを掘り当てることができました。

 

ビニールでぐるぐる巻きにされた銀色の例えるなら、下記イラストのような箱でした。

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 中には油紙で巻かれた10年前の自分からの手紙が入っています。

アリたちはそれを見て懐かしー!と言いいながら、自分の手紙を探し始めました。

 

アリも10年前の自分からの手紙を見つけ出し、なんだかドキドキしながら手紙を開きました。

 

雨でにじんだ文字のにじんだ手紙でしたが、確かに読むことはできました。

手紙にはこう書かれていました。

 

10年後の自分へ。

お元気ですか。

無事ちゃんとしたサラリーマンになれましたか

 

アリ「!?」

 

アリはびっくりして読み続けました。

 

 お父さんが『サラリーマンほど楽な職業はない』と言っていました。

だから自分にはちゃんとしたサラリーマンになっていてほしいです。

 

アリ「!?!?!」

 

アリはここまで読んでさらにびっくりしました。

 

なんということでしょう。

10年前の自分の夢は「サラリーマンになること」だったのです。

 

だとしたら…

 

アリ「今、夢はかなっている…?」

 

何かの脳科学の本で、脳は今から10年後の姿がもう見えているというのを読んだことがあります。

 

10年前の自分は自分で自分の限界を決め、サラリーマンになることを目標に設定したのです。

 

そういう意味では今、昔の夢はかなっているといえます。

 

だとしてもアリは全然うれしくはなく、逆に虚無感に襲われました。

願った結果がこれなんて……。

 

アリ『…と、すると』

 

そこでアリは思いました。

 

アリ『逆に言えば、今からでも、なんでもなれるかもしれない』

 

自分で限界を決める必要もないのかもしれない、アリはそう思ったのです。

 

 

to be continued(て~ろてろてってろ~)

 

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