【前回までのあらすじ】
夏が本気出してきた。
第一話→老後に2000万円必要な時代のアリとキリギリス
第二話→終身雇用制度無き時代のアリとキリギリス
第三話→終身雇用制度無き時代のアリとキリギリス その2
第四話→終身雇用制度無き時代のアリとキリギリス その3
第五話→終身雇用制度無き時代のアリとキリギリス その4
第六話→終身雇用制度無き時代のアリとキリギリス その5
第七話→終身雇用制度無き時代のアリとキリギリス その6
第八話→【アリキリ】ついに現れたあの男… ~コストセンターとプロフィットセンターの話
アリ美先輩の才能
アリ美がこの日はたまたま早めに英語教室に向かうと、教室では懸命に何かの本を読んでいるアリの姿を見つけました。
アリ美「どうしたの?今日は早いじゃない。いつも時間ギリギリに面倒くさそうに来るのに」
アリ「アリ美先輩!僕、ついに自分の才能がわかったんです!」
アリ美「え?すごいじゃない。なんなの?」
アリ「あきらめずにコツコツづづけられることです!」
アリ美「え?」
アリ「だからその才能を使ってアフィリエイトで生きていこうかと思います!」
その瞬間、アリ美先輩の瞳が緋の目に変わりました。
アリ美「なんだ…と?」
アリ「今アフェリエイトの本を読んでまして、Wordpressでブログを初めて、ブログのサロンにも入りました!!」
次の瞬間、アリ美先輩はもうこんな感じになりました。
アリ美「ばっっかじゃないの!?そのアフェリエイトに頑張る時間の1分でも使って英単語でも覚えれば、あなたは将来的にアフリカの恵まれない子供たちを救うかもしれないのよ!?」
アリ「えぇ!?」
そんな馬鹿な!?とアリは思いました。
アリ美「そもそも、なんでアフェリエイトなんてやろうと思ったの?」
アリ「え?元手もかかりませんし、副業としていいかなって…トップブロガーの人は月に100万円ぐらい稼いでるらしいですし…そうしたら会社辞められるかも?」
ちなみにずんずんさんのテキストブログのアフェリエイト収入は最高額で826円です。
アリ美先輩は大きくため息をつきました。
アリ美「いい?副業っていのうは、本業に+αするものが一番好ましいのよ」
アリ「+α?」
アリ美「アリ君が一番、お金を稼いでるのは何?」
アリ「え?もちろん、会社からの給料です」
アリ美「じゃあそれを本業とすると、副業というのは、本業を支えるスキルを得られるものが好ましいのよ」
そう言ってアリ美先輩は2秒ぐらいで下の図を書きました。
アリ美「時間も限られている中、本業より副業で大きな金額を稼ごうとしているのはある意味、狂気よ」
アリ「狂気…」
アリ美「しかも、せっかくの余暇をつぶしてまでやるんでしょ?好きじゃないことをしてたら続かないわよ。あなたの強みが続けられることなら、興味のないことや嫌なことじゃんくて、好きなことを続けた方が、たとえ収入という結果が出なくても楽しいんじゃない?」
アリ「た、確かに…」
アフェリエイトであぶく銭をつかみたかっただけのアリは恥じ入りました。
アリ「そういうアリ美さんこそ最近どうなんですか?漫画は描いているんですか?」
アリ美「もちろんよ。読んでみる?」
ふふんと笑いながら、アリ美はバックから大学ノートを取り出し、アリに渡しました。
アリ「えっ読んでいいんですか?」
誰かの描いた漫画を読むなんてアリは初めてです。
ちょとワクワクしながら、アリはノートを開きました。
アリ「…OH…」
アリ美先輩の絵はお世辞にも上手とは言えませんでした。
なんか関節の曲がり方が変な絵をかいていました。
しかも…。
アリ「だ…男性同士の恋愛の漫画なんですね…」
アリ美「そうよ」
アリ美先輩は腐ったアリでした。
読み終わると、アリはそっと目をそらしました。
アリ美「今は本も売れない時代になってきているし、SNSとかで売り方はいろいろあるしね」
そうアリ美先輩は得意そうに言いました。
アリ『い…いったい、アリ美先輩のこの自信はいったいどこからくるんだ…?こんなに絵が下手なのに…』
アリは思い切って聞いてみることにしました。
アリ「せ、先輩の自信は一体どこから来るんですか…?」
アリ美「自信?」
アリ美は首をかしげました。
アリ美「自信というか…あなたは何かチャンスの方が向こうからやってくると感じていない?」
アリ「!?」
アリ美「待ってれば誰かがチャンスをくれるって思ってるんでしょ?」
アリ「そ、そんなことは…」
俺だって、ちゃんと行動している…!!
そう思いましたが、アリは言い返すことができませんでした。
心のどこかで、
誰かが自分の人生を変えてくれるのを待っていたのではないか
そんな気持ちがどこかにあったのをアリは見抜かされたような気持ちになりました。
研修
俺だってがんばってるんだ…
でも何を…?
そう思うとアリは深くため息をつきました。
今日は研修で東京の本社にやってきていました。
このインターネッツが発達した時代に、なぜ本社まで来て研修など受けなければいけないのか…アリの会社はそういう会社だったのです。
午前の研修が終わり、アリは会社の社食にやってきました。
アリは一人、茨城に飛ばされたので、同期とは仲良くなく、ボッチでした。
かわいそう…。
社食の日替わり定食をのせたトレイをもって、アリがどこに座ろうかブラブラしていると、見覚えのある顔を見つけました。
取締役「…」
クマバチ取締役です。
いらすとやさんには、なんでもイラストがそろっててびっくりしました。
ちなみにクマバチは地方によっては「クマンバチ」というらしいです。私もクマンバチと教わりました(余談)
クマバチ取締役は、6年後、社長になる男です。
クマバチ取締役が一人でランチを食べていました。
向かいに誰か来るのでしょうか。席がぽっかりあいています。
アリはタイムリープ前に、名前ばかりの経営企画部のアリは彼の就任式の準備の仕事をしていました。
その時のクマバチ取締役は非常に温厚な人(※昆虫)であったことをアリは覚えています。
アリ美「待ってれば誰かがチャンスをくれるって思ってるんでしょ?」
アリは突然、アリ美の言葉を思い出したのです。
アリ『お、俺だって…!』
アリは次にこうクマバチ取締役に声を掛けました。
アリ「お、お向かい空いてますでしょうか!」
アリの運命が動き出す…!
To be continued(て~ろてろてってろ~)
キャリアで悩んでいる方はぜひコーチングを受けてみてね!