【前回までのあらすじ】
まだ続いていただと…!?
一目惚れした女の子(✳︎アリ)が昼職を持ちつつキャバクラで働いていたことにアリは絶望を感じた。アリと転職のストーリー、感動のフィナーレ!!
第一話→老後に2000万円必要な時代のアリとキリギリス
第二話→終身雇用制度無き時代のアリとキリギリス
第三話→終身雇用制度無き時代のアリとキリギリス その2
第四話→終身雇用制度無き時代のアリとキリギリス その3
第五話→終身雇用制度無き時代のアリとキリギリス その4
第六話→終身雇用制度無き時代のアリとキリギリス その5
第七話→終身雇用制度無き時代のアリとキリギリス その6
第八話→【アリキリ】ついに現れたあの男… ~コストセンターとプロフィットセンターの話
第九話→【アリキリ】アリと副業
第十話→アリとキャバクラ
アリと面接
渋谷の雑居ビルの会議室にアリの姿はありました。
アリはとあるベンチャー企業の面接を受けに来ていたのです。
しばらくすると、面接官としてこの会社の社長が出て来ました。
ベンチャーあるあるのチャラチャラしたおっさんが出てくると思いきや、ポロシャツ姿の地味な小綺麗なコガネムシのおじさんが出てきました。
アリは「冴えないおじさんだな」と思いました。
面接官の社長の方も「冴えないのが来たな」と思いました。
面接とは大体こんなもんです。
社長「えー…アリ君?」
とコガネムシ社長は職務経歴書を読みながらアリの名前を呼びました。
アリ「は、はい!」
社長「じゃあ、さっそくだけど志望理由を教えてくれるかな?」
アリ「はい!あ、あの…御社のHPに書かれているビジョンに共感しまして…」
社長「……」
アリの志望理由を聞きながら社長は遠い目をしました。
こいつもか…。
と社長は思いました。社長の会社は社員20人ほどの会社ですが、これから拡大期に入ろうとしていました。資金調達もうまくいき、雑誌で「いけてるベンチャー企業100!」とかにも選ばれた社長は地味だがイケイケの新進気鋭の会社です。
人材(※虫)確保のためにエージェントに紹介された人材(※虫)と面接を繰り返していました。しかし紹介されるのは、半端に学歴が高いだけの馬鹿ばかりで、志望理由も紋切り型で、魂に響くものがありません。
30分ぐらいで面接を終わらせるか
と社長が上の空で考えていたその時でした。
アリ「…店頭で見つけた女の子が、キャバ嬢になってしまったんです…」
社長「!?」
聞き流していたアリの話の急展開に、社長はアリの話に耳を傾けました。
アリ「その子は、英語もできて僕より全然優秀な子なんです…。でもそんな…田舎だからって…仕事がないからって…。僕は職業差別はするつもりはありませんが、もしかして彼女はもっと違う選択肢があったんじゃないかって思うんです…。知らないってことは罪です。僕は、色んな人(※昆虫)に選択肢を知ってもらいたい…!だから御社のサービスとビジョンに共感を持ったんです!ぜひここで働かせてください…!!」
社長「…!!!!」
社長はその時、アリの目の奥に、社会人を何周もしているような凄みを感じました。
アリはその日、即日内定もらうことができたのです。
☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆
アリ『や、やったぞ…』
即日内定をもらったアリは、渋谷のスクランブル交差点で信号を待ちながら、高揚感に包まれていました。
あの会社が選択肢として正しいかはわかりません。
しかし、今の会社にいるよりも何倍もましでしょう。
アリ『この結果がわかるのはあと数年後か…。それもしんどいな…』
とアリが思った時、
ドンっ…!
と強く後ろから押されるのを感じました。
アリ『…えっ!?!?』
と思う前に、アリはスクランブル交差点で猛スピードで突っ込んでくる乗用車に撥ね飛ばされていました。
アリとめぐりあわせの神様
アリ「いてて…いったい何が…まだ分岐点には早いはずなのに…?…ん?!」
アリが目を覚ますと、自分の身が五体満足なのに気が付きました。
アリ「こ…?!ここはどこだ…!?」
アリがいたのは、渋谷のスクランブル交差点とは程遠い空虚な空間でした。
どこまでも続く白いタイルの床に、空は雲に包まれているようでそれでいて明るい空間だった。
???『目覚めたようだね』
アリ「!?」
アリが驚いて声の方に振り向くと、そこには見たことがないような生き物がいたのです。
アリ「あ、あなたは…?」
いや、アリはその存在を知っていました。
アリ「…人…?」
アリは本か何かでその姿を見たことがありました。
遥か太古のの昔、アリたちの世界を作ったといわれる創造主、人類と言われる生き物にとても似ていました。
???「そう。僕は君たちが創造主と呼んでいる存在、人だ。しかしここではみちびきの神様と呼んでくれ」
アリ「みちびきの神様…?」
みちびきの神様は続けました。
みちびきの神様「僕たち人類は遥か太古の昔に、高い税金、のしかかる社会保障料、超高齢化、少子化が原因で滅んでしまった」
アリ「え…?どっかで聞いたような…」
みちびきの神様「しかし人類は、滅ぶ前にせめて、遺伝子以外の文明を進化させる情報を残そうとした。そのためにあらとあらゆる生命体に知性をあたえ、文明を与えた」
アリ「は、はあ…」
みちびきの神様「その一つの世界が君が住む昆虫の世界だ」
アリ「!?!?」
アリは突然のSF設定に困惑しました。
アリ「そ、そんなことを急に言われても、俺とどう関係があるんですか…!」
みちびきの神様「私たちはこの宇宙にいろいろな世界を作った。しかし、どの世界も高い税金、のしかかる社会保障料、超高齢化、少子化で滅びようとしている…!」
アリ「!!!」
みちびきの神様「僕は、人類によって作られた種の生存プログラムだ。この世界を滅ぼすわけにはいかない。そこで、不特定多数の生物の時空をゆがめ、この世界を存続させるべき特異点としたんだ」
アリ「もしかして…それが俺…?」
みちびきの神様はうなずきました。
みちびきの神様「そう、君は選ばれたんだ。ちなみに選ばれた昆虫たちは二万匹ほどいる」
アリ「多いな?!」
みちびきの神様「しかし、君のループはここで終わりだ。複数の因子が交わり、ここで君の役割は終えた。もうループすることはない」
アリ「えぇ!?それじゃあ…!」
みちびきの神様「次、死ぬときは、本当に死ぬ」
アリ「そうですか…」
アリは茫然としました。
ループが終わりうれしい気もしました。
しかし、同時に、これでは自分の選択が間違っていたか正しいのかもうわからないと思いました。
そんなアリの気持ちを察したかのようにみちびきの神様は微笑みました。
みちびきの神様「正しいか正しくないのかわからないのが、それが普通だ。何かが違うとおもったら、新しい道を探し続けるんだ。最初から100%正しい道なんてない。君が道を作っていくんだ…」
みちびきの神様がそう言うとあたりは光に包まれていきました…。
アリと運命
アリ「はっ!?!?」
気づくとアリはスクランブル交差点に立っていました。
信号は青に変わり、みんな歩きだしています。
アリ「なんだ…今のは夢…?」
それにしてはやけにリアルな白昼夢でした。
アリが困惑していると、スクランブル交差点の向こうから、知った顔が歩いてくるのが見えました。
アリ「!!!」
昼は書店で営業をして、夜はキャバ嬢をしている橋本環奈似のアリです。
あんな美アリ、見間違えるわけがありません。
でも、なんで渋谷に…?
アリは話しかけようかと、思いました。
同時に、急に話しかけたらキモがられるかもとも思いました。
100%正しい道なんてない
アリ「!?」
アリは誰かにささやかれるのを感じました。
しかし後ろを振り向いても誰もいません…。
アリは口を一文字にきゅっとしめ、決意を固めると
アリ「あ、あの…!」
向かいから来る彼女に話しかけたのでした。
☆おしまい☆
10月5日にKADOKAWA様で開催したワークショップは満員御礼で終了しました!(⌒∇⌒)ご参加いただいた方々ありがとうございました!
次回は11月2日になります!またKADOKAWA様で開催させていただきます。
今回はより具体的にどうキャリアを設計して生き残っていくかについてのワークショップになります。
10月受講された方が受講されますとより効果的ですのでよろしくおねがいします~(⌒∇⌒)
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